Cu-Cal (クーカル) スタッフ日記

「オトワレストラン」音羽和紀さん、「オ・グルニエドール」西原金蔵さんのシェフズダイニング

2010年10月15日

バタバタッと時間が過ぎて、2日空いてしまいました。ごめんなさい。

昨日のお酒イベントの報告もしたいのだけど、
皆様が待っていらっしゃるシェフズダイニングもご報告していかなくては。

と、いうことで。

お待たせしました!

10月3日、4日に開催された
宇都宮「オトワレストラン」音羽和紀さんと京都「オ・グルニエドール」西原金蔵さんの
シェフズダイニングの様子をご報告いたします。

なぜこのおふたかたを奈良に?

HP上では何度かご報告してきましたが、このおふたかたが
おそれ多くもクーカルがめざしていきたいと思う「心」を持つシェフ
故アラン・シャペルの愛弟子だからです。

クーカルの会場にお客さまの席には、そんなクーカルの意図をくんでいただけるように、
以下の文章を添えました。

アラン・シャペルは20世紀を代表するシェフの名でありフランス料理店の名です。
フランスのリヨンという町から北へ20キロくらいのミヨネーという村にあります。
ミヨネーは「えっ? こんなところに?」と誰もが思うような田舎町。
でもここで、シャペルは1973年に三ツ星を獲得し、
以来、世界中から集まる食通たちを魅了してきました。

そんな「アラン・シャペル」に憧れて修業した日本人もたくさんいますが、
「オトワ・レストラン」の音羽和紀さんはその第一号です。
シャペルが『ミシュラン』で三ツ星をとったその年のことです。
音羽さんは、当時修業をしていたジュネーブから50ccバイクに乗って
いくつもの山を越え、4時間もかけてミヨネーまで会いに行って修業先という“勲章”を得たそうです。

「当時のフランス人は日本人なんて見向きもしない。
でも、音羽さんの情熱がシャペルを動かした。音羽さんがすばらしい仕事をしたから、
日本人の評価が上がり、僕たち後輩も次に続けたんです」

そう語るのは西原金蔵さん。音羽さんと西原さんは修業した時期は重なっていません。
でも、西原さんはシャペルから音羽さんのことを聞いていたそうです。

西原さんは、神戸「ポートピアホテル」の「アラン・シャペル」で働いていたとき、
シャペルから「ミヨネーで働かないか」とスカウトされました。
1987年から西原さんはミヨネーの「アラン・シャペル」でパティシエとして勤めました。
日本人初となる三ツ星レストランのシェフ・パティシエとなり、
帰国してからの活躍は、皆様もご存知のとおりです。

音羽さんと、西原さん。アラン・シャペルのことをよく知っているおふたりは
シャペルのことを「自然体」の料理人だと語ります。
そして、フォワグラやキャビアが一番、というように食材に優劣をつけることなく、
すべての素材に対して平等であったそうです。つまり、ミヨネーの村に育つ食材をいつくしみ、
自分でしかできない料理を作り上げていくシェフ。そしておいしいものが好きなシェフ。
そして何より「お客様が一番と考えている」シェフだと。

ミヨネーという町に、遠くからわざわざお金と時間をかけて来てくれるお客様がいる。
そのお客様に、レストランという空間で精一杯のおもてなしをするのは当然のこと。
わざわざ来てくださるのだから、パリでは味わえないような料理を出したい。
肩に力を入れることなく、ごく自然に、土地にそして時代に寄り添うように
シャペルの料理は形作られていきました。

そんなシャペルの心を受け継いだふたりのシェフが、本日、奈良で競演します。
1300年もの深い歴史がある土地で、どのように華開くのか。
「シャペルだったら奈良でどう料理するのか」きっと、そう思いながら
ひと皿ひと皿を紡がれることでしょう。ごゆっくりお楽しみください。

クーカルイン奈良実行委員会

さて、料理が始まります。最初は音羽さんの皿からスタートです。

Tあなごとフォワグラのテリーヌ いちじくカラメリゼ
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Uヤシオマスのマリネ セロリと和梨のサラダ 沢わさびソース
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V伊達鶏白レバーのガトー仕立て トリュフ風味のソースムースリーヌ
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W茂木産かぼちゃのスープ トマトのソルベ添え
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X甘鯛のヴァプール グリーンソース
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Y伊達鶏胸肉のロティとモモ肉のカイエット オリーブソース
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伊達鶏を使うのは、音羽さんが「ブレスの鶏に近い」と考えるから。
ブレス鶏とはアラン・シャペルから車で1時間ほどのところにある
ブレス地方で育てられる鶏。しっかりとした良質な肉はフランスだけではなく
世界中にその名を知られています。シャペルも当然、よく使用したそうです。


ここからデザート。西原金蔵さんの皿です。


Z古代米のクレーム・オ・リ
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[ジャスミンのミルクソルベ、ギモーブショコラ・チュイル
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\柿のタタン・ピラミッド
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]ミヨネーの思い出
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西原さんが本店のシャペルで働いていた頃、デザートはワゴンサービスだったそうです。
お客がどれだけ食べるかわからないたくさんの種類のデザートを用意し、
お客に好きなだけ選んでもらうスタイル。たとえたったひと組のお客にでも、
ワゴンサービスをかならず用意したそうです。それに対し、西原さんは聞きました。

「無駄だと思われたことはないんですか?」

すると、シャペルはこう言いました。

「キンゾー、お客さまはまず目で食べているじゃないか。喜んでくれているじゃないか。
フランス料理の醍醐味は、食材をふんだんに使うことにあるんだよ。
ほら、マルシェ(市場)に行くと山のように野菜や果物を積み上げるだろ?
おいしそうだろ? そう見せることが、まずはお客さまへのもてなしでもあるんだ」

コースの最後の最後に出されるとても手がかかった
美しいプチフールには、シャペルの言葉が生きています。

お客さまはもうお腹いっぱいでしょうから、食べてもらえないかもしれませんよ?

「でも、まずは目で食べてもらえるでしょ? きれい! おいしそう!って
思ってもらえているでしょ? それがフランス料理なんですよ」

ところで、この企画ではもうひとつ“深いい話”があります。

キッチンでは音羽さんの親子競演、西原さんの親子競演が
繰り広げられていたのです。

息子さんは、お父様の姿を見て皆、料理人になりました。
そして、シャペルの息子さんも、料理人になりました。

音羽さん、西原さん、シャペル、それぞれの息子さん同士はみんな仲がよいそうです。

長い時を経て、また、ひとつの時代が作られていきます。

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音羽さんと息子さんたち。

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西原さんと息子さん。

ワインリストには自然派ワインのカリスマ、
マルセル・ラピエールの「モルゴン」をおきました。
今のように自然派が見直されるずっと前から、シャペルはラピエールと
交流があったそうです。三ツ星のワインリストというと、
ボルドーやブルゴーニュの格のあるグランヴァンといった時代。今もそうかな?
でもシャペルは、ラピエールのような自然と対峙する造り手も大切に付き合っていたそうです。

実はラピエールは先日亡くなりました。
でも、自然派ワインの思想も、後進たちにしっかりと受け継がれているようです。

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posted by ボリ子 at 22:57 | Comment(4) | TrackBack(1) | 奈良
この記事へのコメント
こんにちは。
クーカル、楽しませていただいてます。

音羽さん、西原さんのコラボ、本当にすっばらしかったです。

お互いのご子息、お嫁さんもいらして、とてもアットホームな感じで・・。きっとその気持ちがお料理にも表れるのでしょうね。
お料理ってその作り手の心持が大いに反映されると思います。
技術だけではない、心に訴えるもの。

私も心持良くして、精進しなくては。・・。
Posted by おぜん at 2010年10月16日 13:00
おぜん様

コメントありがとうございました。

そうそう、お嫁さんもいらっしゃいましたね。

受け継がれていく料理の心。
食文化はその国の成熟度をあらわすと思うので、
日本の未来にとっても、大切なことだと感じます。

おぜんさんの料理教室は、きっと、
そういうことまでお教えできる教室なのでしょうね。
いつかうかがってみたいです。
Posted by くーちゃん at 2010年10月16日 21:07
伺った3日は
雨風がひどくて
しんどかったけど
楽しい時間が過ごせました。
ありがとうございます。

限られた食材で
使い慣れない厨房で
スタッフも十分でない中
毎回毎回素敵なお料理を出される
音羽さん、金蔵さん、素敵ですっ☆

それぞれのお店にも
また伺わないとだわっ!
・・・パフェ頼まないと(苦笑)
Posted by しずりん at 2010年10月18日 16:43
しずりん様

コメントありがとうございました。

いつも応援してくださってありがとうございます。

雨対策も進化しました。

また来てくださいね。
Posted by くーちゃん at 2010年10月19日 22:08
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